なんで私が東大に!?

  1. 今回の東大編入試験(2023年度)で合格したので体験談を書きます!!

合格したのは機械系学科です。ちなみに機械工学科へ進むつもりです。

途中まであまり関係ないことを書いたので、重要なことを知りたい人は後半半分を呼んでもらえばいいかと

 

 

 

自己紹介

  • 所属学科:機械工学科
  • 席次:1年-3、2年-5、3年-2、4年-5
  • TOEIC:780
  • 合格した大学:東大工学部、阪大基礎工学部、岡大工学部

勉強は量でカバーするタイプです。中学から高専に入っても数学物理を暗記で乗り越え続けてきたつけを、今回の受験勉強で払う羽目になりました。

1-3年までは卓球部に、1-4年までは自作車両で燃費を競うエコランという部活に所属してました。

 

編入のきっかけ

  1. エコラン
  2. 起業

 エコランに入って設計や解析をする中でシミュレーションや最適に興味を持ち、大学で勉強したいと考え編入を決めました。その中でも、東大の数理設計工学研究室の研究内容が面白そうだったんですよね。そして、「この研究室で研究してみたい!」と思い立ち、東大を目指すことにしました。

 また、将来的に数値シミュレーションをより社会に役立てたいと考えていて、その中には起業をするという選択肢もあるので、起業家の輩出人数が多い東大を選びました。

東大編入の仕組み

 募集要項見てもなんかわかりにくいですよね。ということで簡単に説明を。

  • 学科群:とりあえず群を志望し、合格後どの学科に入るか決める
  • 物理分野科目2問以上を解答:2問は力学、電磁気、第3問から選び、もう一つは物理・化学どちらを解いてもよい←物理2問だけを解けばいいわけではない
  • 1次試験後:合格者の受験番号のみが発表される
  • 2次試験後:合格者の受験番号と対応学科が発表される

 

1~3年

  1. 特にすることもやりたいこともなく自堕落な生活を過ごしていました。途中からさすがにまずいと思い、エコランに入ったり、TOEICを受けたりしました。

  2. エコランに入ったことでSolidworksを使った設計や、金属の加工ができるようになりました。高専祭では振り子時計(動かなかった)を作るなどして、だんだんましな生活をするようになりました。相変わらず勉強は学校の分だけです。
    この時期にもっと遊べばよかった…



  3.  前期はコロナによりほとんどオンライン授業でした。暇だったので、授業の予習をしていました。
     この時期からわずかですが編入の勉強を始めました。まずは英単語帳の鉄壁や物理のエッセンスをしていました。この時期に英単語をやっていたのは後になって考えるとよかったと思います。
     後期になってからはTOEICを受けたりしましたが、編入の勉強は全くしていません。
    ★使った参考書
    • 鉄壁
    • 物理のエッセンス(赤、青両方)

 

4年前期

 エコランが忙しすぎて編入勉強はちょっとだけ。学校のテスト勉強も中途半端です。しかし、この時期がなんだかんだ一番楽しかったです。あとから思い返しても、ここでやりきれたのは非常に大きかった。というのも、何かやり残したことがあるまま勉強をやろうと思ってもなかなか進まないからです。

 ★使った参考書

  • 鉄壁
  • 基礎物理学演習Ⅰ
  • 数学徹底演習

 

4年夏休み

8~10時間/日

 エコランも引退し、さあこれから勉強するぞーっていうときに彼女に振られました。喪失感を埋めるために微分方程式を解いたりしましたが何の役にも立たない…一週間後にインターンがなければきっと引きずり続けていたので、その点ではラッキーでした。

 こうして意図せず勉強に集中できる環境ができました。勉強方法は以下の通り。

  1. 1,2年分の過去問を解き、他の過去問は解かずに問題の傾向をつかむ
  2. 各教科の基礎固めに必要なことを決める
  3. 一週間ごとに到達度合いと問題点について分析する

     数学に自信がなく、英語に自信があり、物理はその間だったので、それに従い時間の配分をしました。また、最初は東大の試験範囲から取り組みました。
     これから勉強する人に気を付けてほしいのは、先へ先へ進みたい気持ちを優先すると失敗することです。同じ問題集を繰り返すにしても、前に勉強した範囲は必ず忘れる前に復習しましょう!!
    ★使った参考書

    • 数学:徹底演習、徹底研究、細野確率、マセマ微分方程式、高校生からわかる複素解析
    • 物理:良問の風-電磁気、名問の森-力学・電磁気、基礎物理学演習Ⅰ-力学
    • 英語:鉄壁、NextStage、ポレポレ英文解釈、英作文ハイパートレーニング、PORALIS2

4年後期

5~6時間/日

 課題が多く受験勉強との両立が難しいです…

 解決策として睡眠時間を削ったこともありましたが逆効果でした。わかりきっているのにやってしまうとはアホです。ちゃんと寝ましょう。

 結局綿密に計画を立てることで乗り越えようとしました。自身にはあっていたのか、直前期に時間が足らなくて焦ることはありませんでした。

 この時期になるとある程度基礎が固まってきて、解ける問題のパターンが増えます。一方で、伸びしろが少なくなりモチベーションが上がらないので息抜きできるものがあるといいですね!個人的には、ずっと髭男の曲を聴いてリフレッシュしていました。

 ★使った参考書

  • 数学:徹底研究、大学編入のための数学問題集、過去問特訓、複素関数攻略への一本道、一冊でマスター大学の線形代数、細野確率
  • 物理:基礎物理学演習Ⅰ・Ⅱ-力学・波・熱・電磁気、基幹講座物理学力学、よくわかる電磁気学、名問の森-熱・波、なっとくする演習熱力学
  • 英語:鉄壁、NextStage、英作文ハイパートレーニング、最難関大への英作文ハイパートレーニング、透視図、TheRules3
    ※機械科の人にとって電磁気学は馴染みが薄い上に覚えることが多いので、十分な時間を設けることをおすすめします!また、熱力学もなじみのない概念が多数現れるので、十分な演習量を確保すべきです。

 

4年春休み

6~12時間/日

 過去問を解き始めました。取れるときととれないときの差が大きかったので、引き続き演習や再度基礎固めをしました。この時期が勉強時間を最も確保できると思われるのですが、長期間ゆえに目的なく勉強していると最後まで持ちません。なので、途中で息抜きを挟み、計画をしっかり立てることが必要です。個人的には、友達が車で温泉街に連れて行ってくれたことが非常にいい息抜きになりました。

 ★:使った参考書

  • 数学:徹底演習、過去問特訓、数学問題集、複素一本道
  • 物理:基礎物理学演習Ⅰ・Ⅱ-力学・波・熱・電磁気、基幹講座物理学力学、よくわかる電磁気学、名問の森-すべて、なっとくする演習熱力学
  • 英語:鉄壁、NextStage、竹岡英作文、透視図、TheRules4、英文和訳演習中級

 

5年前期~本番前

2~10時間

 なぜか直前期にやる気がなくなりました。しかしここまで来てはもう引き返せないので、進路が一つもなくなった未来を想像し何とか奮い立たせました。

 この時期は発展的な問題を解いていくのに加え、改めて基礎を見直すといいです。発展的な内容が解けないときは必ず基礎が身についていません。定義がどんなものであるか、そのことからどんなことが言えるか整理するのがおすすめです。

 そして、直前には周りの東大受験生と一緒に過去問を解き、擬似模試をやりました。これのおかげで本番ではあまり緊張しませんでした。といいたいところですが、本番は別物ですね…めっちゃ手を震わせながら書いてました。

 過去問については2周することをおすすめします。そして、2周目は時間制限を厳しくし、大問ごとに解くといいです。限られた時間で解法を導くトレーニングができます。

 こうして試験にどんどん慣れて合格圏内の点数を取れることも増えました。

 ★:使った参考書

  • 数学:徹底演習、過去問特訓、数学問題集、複素一本道
  • 物理:基礎物理学演習Ⅰ・Ⅱ-力学・波・熱・電磁気、詳解力学演習、基幹講座物理学力学、よくわかる電磁気学、名問の森-すべて、なっとくする演習熱力学、弱点克服熱力学
  • 英語:鉄壁、NextStage、竹岡英作文、透視図、PORALIS3、英文和訳演習中級

 上記の量を勉強するのは一見困難かもしれません。しかし、何周もしている問題集をわざわざ書きながら解く必要はありません。問題をみて、頭の中で解法を導けばいいと思います。それができない問題だけ、書いて解けば効率的に進められます。

 

受験前に知っておいたほうがいいこと

ピークを持ってくる

 能力のピークが受験直前とは限りません。個人的には直前に英単語をかなり忘れているということがありました。数学もピークの持っていくタイミングを間違えました。日々の繰り返しが大事ですね。

本番に強くなる

 勉強だけではメンタルは鍛えられません。部活、プロジェクトやバイトなど他のことでメンタルを鍛えれば本番に強くなるじゃないでしょうか。僕は、部活で顧問の先生に鍛えてもらいました。

早く解く

 よく時間があれば解けるという人がいますが、試験にはもちろん時間制限があります。時間内に知識を適切に取り出し、使えないと意味がありません。解法を導くまで時間がかかる場合は、早く解けるようになる必要があると思います。

 

一次

受験後予想

結果

 英語は予想より高かったですが、数学は予想より低かったです。結局得意にはなれずじまいです。物理は予想通りでした。

 正直、英語数学が終わった時点で「あれ?落ちたんじゃね?」って思いました。しかしここまで来て、中途半端に終わりたくなかったので物理に賭けました。幸い、例年より簡単な問題だったので受験前の予想よりはるかに高い点数を取れました。

 

二次

以下のことを聞かれました

  • 受験番号、名前
  • 志望理由:1分くらい喋った
  • どうして連続体力学に興味があるの?
  • 数値シミュレーションに興味のある理由は?どこに気を付ける必要がある?
  • 実際にやったことがあるか?
  • 卒研の内容
  • 数値シミュレーションを応用とは具体的には?
  • 計算機やプログラムについての知識はあるの?
  • 起業に関して勉強したい科目はある?

 非常にやさしかったです。志望調査票に書いたこと、その場で答えたことについてどんどん質問される感じでした。とんでもないことを答えない限り大丈夫ですね。

 

まとめ

 僕はいい大学に進めば必ずいい人生を送ることができるわけではないと考えています。ただ、何かを勉強・学習・経験するうえでの環境の差というのは計り知れないほど大きいです。やりたいことがあってより優れた環境を探しているのであれば、東大へ行くことはプラスになると思うので、ぜひ進学を目指してみてください!

 

科目別おすすめ参考書

数学:

  • 複素一本道ー複素積分など豊富な問題演習ができる

物理:

  • 詳解力学演習ー余裕があれば剛体のところだけでも絶対にやるべき。
  • なっとくする演習熱力学ー東大の熱力学は理学寄りの内容なので、最初の一冊におすすめ。
  • 弱点克服熱力学ー内容が網羅されていて編入の熱力学に十分対応できる。

英語:

  • TheRulesー問題演習だけでなく文章の読み方について書いてあるのがいい。